冬季野麦峠

 雪が深いと自転車は荷物でしかなく徒歩で行く。踏みしめられた、あるいは除雪されたあとの硬い雪や氷の上でなら自転車はとてもよく走るけど、深雪は無理だった。


 石室(いしむろ)はちゃんと雪の上にでていた。吹雪による凍死を減らすために避難小屋の目的で作られた石室。石室をセキシツと読むと遺体安置所になる日本語の不思議。内部には簡易なカマドがあって、ちゃんと煙突も上に抜けている。


 風もなく心地良い天気で、寒さを感じるどころかずっと日差しにあたって暑いほどだった。気温はー5℃くらい。多少でも日が陰っていれば-10℃、風が吹けばもっと寒くなるはずだったのであまりの好天に拍子抜けした。


 政井辰次郎、みねの像。上部の積雪は1mほど。3日続いた晴れで雪が締まって安定している。着いたときは乗鞍がみえていた気がしたけれど、お助け小屋まで歩いて振り返ったらすでに雲に覆われていた。




 つきのわ商店でランチを頂く。いつもおいてるコーヒーはブラジルだけどこの日は東ティモールケニアを出していたので両方頂く。どちらもオーガニックだけど酸味は少なく飲みやすい。東ティモールは香りが独特で、ケニアは後からじんわり苦味がでる印象でした。