新編 単独行
前から少し興味があったので読んでみることにした。本当は独りで登りたいわけではないけれど、どうも周りに近いペースの人がいなくてしょうがなく独りで登っていたのではないかとおもう。自分も山サイするときは似たようなものだ。
読んでいると「ロッククライミングは苦手で、スキーもうまくはなく、足手まといになるのでパーティを組むのはためらわれた」ということや、計画も一般的でないというあたりに単独行をせざる得ない事情を感じた。独りのほうが気楽であったとも言える。
また、数日から10日以上に及ぶ縦走の最後には、終わってしまう寂しさを感じたという。これはステージレースにも似ているし、いろんなことにそういった感情を持つことがある。実行しているときは大変なことも終わりがみえてくると寂しくなる感覚。
頂上を征服することができなくとも、力の限り登って限界に達したのであればひとつの満足を得られるとも言っている。自転車に置き換えるとブルベもそういった魅力かもしれない。完走そのものではなく、限界に挑戦するということと、成功にしろ失敗にしろ、結果が生まれるのは楽しいことなのかもしれない。
- 作者: 加藤文太郎
- 出版社/メーカー: 山と渓谷社
- 発売日: 2010/11/01
- メディア: 文庫
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